春、庭に出るのが、心地いい季節。
これから、初夏、夏本番の時期、そして、秋の終わり頃まで楽しめるように、少しずつ、苗の植え付け、種まき、球根植え、などをしていく。
挿し芽で増やしたいハーブなども、そろそろ、いい季節になる。
雑草も元気を出してくる季節。
虫も出てくる季節。
つまり、草花たちにも、細やかなケアが必要な季節の到来でもある。
そして、この一年、どんなふうに、マイガーデンを楽しもうかな?
わくわくする時期。
着々と、植え付け面積は増えているけれど、まだまだ、夢は広がる。
今までは、バケツで作っていた、堆肥、今年は、コンポストらしきものを作ってみよう。
やっぱり、野菜も、少しチャレンジしようかな、とか。
花壇のレイアウト、池周りも、変えていこう、とか。
そういうときに、何度でも、開きたくなってしまう、素敵な本がある。
「園芸図鑑 花や野菜いっぱいの庭づくり」さとうち藍 文 藤枝つう・佐野裕彦 絵
福音館書店 1996年4月 初版発行
最初に、庭づくりの夢という章立てがあって、「トムは真夜中の庭で」「秘密の花園」「園芸家12ヶ月」「パーマカルチャー」などの本に出てくる庭の様子、草花のこと、庭につながる物語のエピソードが紹介されている。
読みながら、うーん、そうだった、こんな花が出てきたんだよね、たしか、こんな庭だったって、思い出しながら。それを、自分の庭に、再現することを考えたら、もう、ニンマリ!
次の章は、いろいろな庭。小さな小さな庭、からはじまって、チョウをよぶ庭、カエルをよぶ庭、ひとをびっくりさせる庭・・・なんていうのもあって、あ~どれも、これも、楽しそう。
マイガーデンも、いろんな展開が出来そうだって、嬉しくなる。
三章は、庭仕事の道具。これも、いいね。道具のこと、考えたり、用意したりするのも、楽しい。ちょっと、一丁前になった気分もしたりして。
それに、工夫をして、いろんなもの使って、豊かに楽しめる、ってこともわかる。
四章は、庭の土づくり・五章は、庭づくりをはじめよう・六章は、元気よく育てるために・七章は、ふやすたのしみ・八章は、庭からのおくりもの。
最後に、具体的に、それぞれの植物について説明してある、園芸植物図鑑、野菜・くだもの図鑑が、載っている。
庭を耕し、種をまき、お手入れをして・・・花を飾る、ドライフラワーにする、種をとる、収穫物で料理をしたり、保存食をつくる。庭づくりを十分に、楽しむ知恵、技、考え方などが豊富に紹介されている。
イラストは、鉛筆タッチの繊細で、温もりのある感じ。
庭、植物、虫などの姿は、もちろん、この本の、庭を楽しむ主人公である、子ども達の姿が、やさしく、のびのびとした雰囲気で描かれている。
この本の魅力は、一環して、子ども達を、一人前のガーデナー、生活の主人公として、しっかり認めている、まなざしを持っていること。
子供だましは、一切無い。そう、子どもだからこそ、本当に、大切なこと、楽しいこと、困ることなど、正直で、良質な情報提供がされていて、それが、とてもいい感じだ。
この本を作った大人達が、真剣に、子どもに伝えている、ってことが、ページをめくっていると伝わってくる。
庭づくりを通じて、子ども達に伝えていることは、まさに、生きること。
つまり、庭づくりは、自然のこと、食のこと、暮らしを豊かにすることにつながっていく。
これらは、生きていく上で、とても大事なことだから、それを真摯に、子ども達に、伝えていくのは、本来、基本的で、不可欠なことだろう。
今、地震のこと、原発のこと、放射能のこと、子ども達に、どれだけ、真剣に、正直に、大人は語っているだろうか。そう振り返ると、苦しくなるような現実。
しかし、マスコミや、いわゆる、教育機関の伝え方を、批判しているだけでは、現状はよくなっていかない。
私も、大人の一人として、身近な我が子達も含め、子ども達へ、それぞれの問題についても、何を、どう伝えていくのか。
あらためて、考え、実践していくことが大切だろう。
単なる、知識としての情報を伝えていくだけでは、子ども達は、途方にくれてしまうだろう。
生き抜く知恵、技、考え方を、伝えていくことが必要だろう。
そして、上から、ただ、押し付ける情報提供ではなく、子ども達と共に、これからの未来を創造していく視点をもって、寄り添いつつ、共に、学び、育ちゆく存在として、伝えていくことが出来たら、と思い、願う。
それにしても、うっとり、わくわく、ふむふむ。
幸せになる本だと思うなあ。おすすめ!
もちろん、子どもだけでなく、大人も楽しめる。読み応えのある一冊。
| 園芸図鑑―花や野菜いっぱいの庭づくり (1996/05/01) さとうち 藍、藤枝 つう 他
商品詳細を見る 児童文学、のカテゴリに入れてみました。本の好きな、子ども達には、より心ときめく園芸書でしょう。庭づくりを存分に楽しむ、知恵、技、考え方、大人から、子ども達へ真摯に語られた本。もちろん、子どもたけでなく、大人にもおすすめ! |
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